今年の4月1日より、仮専用実施権/仮通常実施権の設定登録が可能になります。
これまでは、実施権の登録は、設定登録後の特許に対してのみ可能であり、出願中の特許出願については、当事者同士の契約によって実施権の「合意」が可能であるのみでした。このような状況下では、第三者対抗力がなく、特許登録前に出願人が破産したり実施権者に無断で出願を譲渡した場合、新出願人/権利者から契約が解除されたり権利行使をされたりするというような問題がありました。このような問題を解決するために、出願中でもあっても実施契約を登録することができるように仮専用実施権/仮通常実施権の制度が新設されたのです。
具体的には、仮通常実施権の許諾について、特許庁の登録原簿に登録した場合、特許を受ける権利等をその後に取得した第三者に対しても効力を有します。すなわち、権利者が破産した場合でも契約解除を要求されることがなく(破産法56条)、新権利者から補償金を請求されることがなく事業を継続しても、差止・損害賠償を請求されることはありません。また、特許法第三十八条の二によれば、「特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権又は登録した仮通常実施権を有する者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。」とあり、特許出願の処分にも一定の制限が課せられます。
この新しい制度により、出願中の特許についての実施権設定に対して制度的な保証が与えられることになり、出願段階ので特許権として成立していない特許を受ける権利が貴重な財産権として活用できるようになりました。この機会に、ベンチャー企業、個人発明家や学術機関の研究者の方はこの制度を有効に活用し、資金獲得に役立てることをご検討ください。
本件に 関するより詳細な情報は、日本特許庁のサイト(こちら)をご覧ください。
また、ご質問等ございましたら、恵泉までご遠慮なくお問い合わせください。
以上
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